駆け出し医学生の駆け出しブログ。日常をつれづれと書いたと思えば、飽くなき趣味と愛を叫んだりします。好みについてはカテゴリーをご覧下さい。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私が六条御息所を好きな理由が、やっと分かった。
生霊にもなり。 源氏物語に登場する女性を苦しめ。 源氏に苦しめられて生きた女性を。 どうしてこんなにも愛して止まないのか。 その理由が。 私は、彼女の強さと、彼女の弱さに惹かれたんだ。 御息所の強さ。 それは貴婦人の中の貴婦人、女王としての気品と才能と能力だった。 誰よりもたしなみ深く、誰よりも思慮深い、成熟した女性の色香を漂わせた貴婦人。 多くの貴公子に靡く事なく、女王として君臨するだけの気位と能力を兼ね備えた人。 どうやら私は、力のある女性に憧れる傾向があるらしい。 男性に象徴されるような、ゴワゴワとした力ではなく。 女性に抽象されるような、しなやかで、柔らかな、力。 細くとも決して風で折れる事のない柳のような。 そんな力を持った女性に。 御息所は、そんな力を持っていた。 少なくともそれを‘力’だと認識させるほどの強く、表面に現れた‘力’だったと思う。 女性としての力。 女性しか持ち得ない力。 女性であるが故に、逃れられない力。 六条御息所は、その力の全てを自分の武器に換える事ができる人だった。 源氏物語に彼女の幼少期は描かれていないけれど、きっと彼女はそれだけの事をやってのける運と才能にあふれ、そのための努力は惜しまなかったんだろうな、と思う。 そして彼女の力を強ければ強いほど、彼女の弱さが引き立てられる。 御息所の弱さ。 それは女性として、あるいは恋をする人間として逃れられない弱さだと思う。 ‘通い婚’が主だった源氏物語の時代では特に。 他の女性には決して負けてはいないという自信。 どんな時も大人の女性でなければという責任感。 相手が年下であるというプレッシャーへの対処。 源氏に心から甘える事を許さない彼女の自制心。 これからどうなるのか、先読みの出来ない不安。 年を経るにつれ源氏はますます成熟し、輝く。 それに比べ、自分はしだいに老いて醜くなる。 凄く親近感が湧くの。 女王である彼女が、普通に恋愛をしている普通の人と同じような事を考え、同じように悩んでいる事が伝わってくるから。 貴婦人の中の貴婦人である彼女でさえ、というより、彼女の立場と内面のギャップが激しければ激しいほど、彼女への親近感はより深まる。 彼女の武器が、諸刃の剣となって彼女に襲い掛かる。 恋をしたばかりに、そこから逃れる事はできなくて。 あぁ、一緒なんだ。 あぁ、不安なんだ。って。 なぜか凄く、安心する。 自分が悩んでいる事が、そんなに変わった事じゃないという事を知って。 あるいは、そんなふうに悩みながらも生き抜いた先人がいる事に触れて。 憧れの女性が、急に近くなった気がした。 彼女の強さは私を魅了して止まなかった。 彼女の弱さは私を和ませてくれた。 私が六条御息所を好きな理由。 それは簡単な事だった。 彼女が、誰よりも人間らしい、普通の人間だったからだ。 PR ![]() ![]() |
カレンダー
最新トラックバック
プロフィール
HN:
花卉子
性別:
非公開
ブログ内検索
アーカイブ
アクセス解析
カウンター
|