駆け出し医学生の駆け出しブログ。日常をつれづれと書いたと思えば、飽くなき趣味と愛を叫んだりします。好みについてはカテゴリーをご覧下さい。
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矢井田瞳の「未完成のメロディ」が好きです。
小説書きの私の原点と言ってもいい作品です。 この曲を聞いてから、この曲が似合う人をイメージして小説の主人公を書いています。 私が小説を書く上で、絶対に外せない作品です。 私がこの作品を初めて耳にしたのは、テレビCMの中で使われていた時。 目を覚まさないで 私を選んで 哀しみならば ねぇ二度とほどけない嘘で... 流れていたのは確かこの部分だったと思います。 ちょっと聞いただけですぐに何かを感じました。 CMのBGMなんかに全く興味がなかった私ですが、この曲だけは違いました。 カルチャーショックというか、頭をガツン!って殴られた感じ。 こんな音楽もあるんだ、という驚き。 その時の私には何故か新鮮だったんですね。 歌詞が好きとか、歌手が好きとか、そういう事がない、理屈抜きで好きになった作品は後にも先にもこれだけでした。 どうしてこんなに好きなんだろう、って思うくらい好きになりました。 歌詞もいいし、メロディもいいと思う。 でも、どちらも「これ!」という決定打にはなっていない。 この曲よりも歌詞が好きな作品も、メロディが好きな作品もあります。 それなのに何故か、「未完成のメロディ」という作品は私を捕えて放しませんでした。 CDを借りてずーっと聞いてましたね。 この曲を好きな理由を探すかのように。 凄く時間がかかったんですけれど、ちょっと前にようやく分かりました。 退廃的に感じるんですよね。 終りに向かって疾走している感じ。 誰にも止められなくて。 誰にも抑えられない。 何者にも邪魔されずに、時の流れに従って終焉へと迫っている感じ。 今まで聞いた他の作品からは感じ取れなかった感じ。 儚さと強さ。 絶望と希望。 相反する2つの事が入り交じった感じ。 不思議な感覚でした。 矢井田瞳の作品の中で、聞いたのはこの曲だけです。 いつもなら気に入った作品があるとその曲の歌手が歌っているほかの作品も聞くんですけれど、これだけは別。 他の曲を聞いてこの曲の印象を変えたくはなかったのかもしれません。 退廃的なものに惹かれる自分もどうかと思いますが(笑。 今でもやっぱり上手く言葉にできない作品です。 でも、やっぱりこの作品が大好きです。 PR
私が六条御息所を好きな理由が、やっと分かった。
生霊にもなり。 源氏物語に登場する女性を苦しめ。 源氏に苦しめられて生きた女性を。 どうしてこんなにも愛して止まないのか。 その理由が。 私は、彼女の強さと、彼女の弱さに惹かれたんだ。 御息所の強さ。 それは貴婦人の中の貴婦人、女王としての気品と才能と能力だった。 誰よりもたしなみ深く、誰よりも思慮深い、成熟した女性の色香を漂わせた貴婦人。 多くの貴公子に靡く事なく、女王として君臨するだけの気位と能力を兼ね備えた人。 どうやら私は、力のある女性に憧れる傾向があるらしい。 男性に象徴されるような、ゴワゴワとした力ではなく。 女性に抽象されるような、しなやかで、柔らかな、力。 細くとも決して風で折れる事のない柳のような。 そんな力を持った女性に。 御息所は、そんな力を持っていた。 少なくともそれを‘力’だと認識させるほどの強く、表面に現れた‘力’だったと思う。 女性としての力。 女性しか持ち得ない力。 女性であるが故に、逃れられない力。 六条御息所は、その力の全てを自分の武器に換える事ができる人だった。 源氏物語に彼女の幼少期は描かれていないけれど、きっと彼女はそれだけの事をやってのける運と才能にあふれ、そのための努力は惜しまなかったんだろうな、と思う。 そして彼女の力を強ければ強いほど、彼女の弱さが引き立てられる。 御息所の弱さ。 それは女性として、あるいは恋をする人間として逃れられない弱さだと思う。 ‘通い婚’が主だった源氏物語の時代では特に。 他の女性には決して負けてはいないという自信。 どんな時も大人の女性でなければという責任感。 相手が年下であるというプレッシャーへの対処。 源氏に心から甘える事を許さない彼女の自制心。 これからどうなるのか、先読みの出来ない不安。 年を経るにつれ源氏はますます成熟し、輝く。 それに比べ、自分はしだいに老いて醜くなる。 凄く親近感が湧くの。 女王である彼女が、普通に恋愛をしている普通の人と同じような事を考え、同じように悩んでいる事が伝わってくるから。 貴婦人の中の貴婦人である彼女でさえ、というより、彼女の立場と内面のギャップが激しければ激しいほど、彼女への親近感はより深まる。 彼女の武器が、諸刃の剣となって彼女に襲い掛かる。 恋をしたばかりに、そこから逃れる事はできなくて。 あぁ、一緒なんだ。 あぁ、不安なんだ。って。 なぜか凄く、安心する。 自分が悩んでいる事が、そんなに変わった事じゃないという事を知って。 あるいは、そんなふうに悩みながらも生き抜いた先人がいる事に触れて。 憧れの女性が、急に近くなった気がした。 彼女の強さは私を魅了して止まなかった。 彼女の弱さは私を和ませてくれた。 私が六条御息所を好きな理由。 それは簡単な事だった。 彼女が、誰よりも人間らしい、普通の人間だったからだ。 |
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